「梅毒」の感染が爆発?なぜ今日本で広まっているのか

公開日:2023年05月01日|最終更新日:2023年05月01日

  • 性病
「梅毒」の感染が爆発?なぜ今日本で広まっているのか

あなたは梅毒を知っていますでしょうか?
一度は耳にしたことがある人も多いでしょう。
実は今、全国的に梅毒の感染者が増加しているのです!
このままのペースが進んでしまうと、これまでにない感染拡大になる恐れがあります。
そこで今回、感染拡大中の梅毒について解説をしていきます!
なぜ今感染が拡大しているのか。
そしてどのように予防するのかを理解し注意しましょう。

なぜ今感染が爆発しているのか?

なぜ、梅毒の感染が広まってしまっているのでしょうか。
そこにはSNSやマッチングアプリの流行が関係しております。

これまで以上に、気軽に異性と会って性行為が行われるようになったこと。
また、性行に対するハードルが年々低くなったことが要因と考えられております。

梅毒の感染者は、2010年頃から増え始め、2019年〜2020年には減少したものの、コロナが蔓延する2021年に再び増加してます。
そして、なんと2022年の感染者数は1万人を突破するなど大きな社会問題となっているのです!

引用:東京都感染症情報センター「梅毒の流行状況(東京都 2023年)」

SNS上でのいわゆるネットでのナンパ「ネトナン」、マッチングアプリでの出会いなどを性行為の目的として利用している男女が増えてしまってます。
特にコロナ期間中は、緊急事態宣言の影響によって室内で会って性行為をするケースなども増加しており、このような背景から梅毒の感染が一気に拡大されていったと推測されてます。
また、風俗店の利用やパパ活など性行為をするパターンも増えていることも関係してます。

また、梅毒は症状の発生まで3ヶ月ほど潜伏期間もあることより、自分が感染していることに気がつかず、非感染者と性行為を行なってしまうなど、様々な問題が重なって感染拡大が進んでしまっているのです。

梅毒とはどのような病気か

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる性感染症の1種類になります。
歴史的には、江戸時代に日本でも流行し、1940年以降にペニシリン系の抗生薬が普及するまで治療方法がなく、多くの方がこの病気で亡くなってしまっているのです。
しかし、現在では治療薬も普及しているので、治療することが可能となっておりますが感染者は増加傾向となってます。

感染経路

主な感染経路は、感染部位と皮膚や粘膜の直接の接触です。
具体的には、性器と性器、口(オーラル)、肛門(アナル)の接触になります。
また、キスで感染することもあれば、稀なケースでは食器を共有すること、輸血で感染することもあります。
さらに、母体が梅毒に感染している場合には、胎児にも感染する可能性が高くなります!

症状と経過

梅毒は感染してから約3週間は潜伏期間になっており、それ以降に段々と症状が現れてくるのです。また、症状によって第1期〜第4期まであり、第2期までを「早期顕性梅毒」、また第3期以降を「晩期顕性梅毒」と分類されております。

第1期(感染から3週間〜)
感染した部位(口や性器など)に3mm〜3cmほどのできものが発生します。
また、股の付け根部分のリンパ節が腫れることもあります。
痛みはないことが多く、治療しなくとも1ヶ月程度を過ぎるとこれら症状は自然消滅していきます。
しかし、体内から菌が消滅しておらず潜伏状態が続いてしまいます。
第2期(感染からヶ月〜)
第1期で治療をしないまま放置することで症状が進行していきます。
梅毒トレポネーマが血流によって全身に広がることで手のひらや足の裏、身体に赤い発疹が発生してきます。
この発疹は、小さなバラに似ていることから「バラ疹(ばらしん)」と呼ばれます。
治療しなくとも数週間程度で発疹は自然消滅する場合がありますが、抗菌薬で完治しない限り繰り返し発生することがあります。
第3期(感染から3年〜)
治療を放置したまま症状が悪化した状態です。
全身に炎症が進行し皮膚や筋肉、骨などに腫瘍が発生していきます。
また、鼻の骨にゴム腫と呼ばれる腫瘍が発生すると、鼻が欠ける可能性もあります。
第4期(感染から10年〜)
長期間に渡って感染状態であり、重篤な症状を患う可能性があります。
菌が神経に影響を及ぼす神経梅毒と呼ばれる状態になることや、心臓や大動脈や脊髄などに障害を受け最悪の場合死に繋がることもあります。

梅毒は、感染後すぐに症状は現れない為、自分が梅毒になっていることに気が付かない場合が多いです。
少しでも違和感や症状が現れた場合には、すぐに病院へ受診することが大切です。

また、梅毒に感染しているとHIVなどその他の性病にも感染しやすい為、注意が必要です!

梅毒の治療

梅毒に感染した場合、ペニシリンという抗菌薬を使用して治療を行います。
ペニシリンを使用した治療を開始する24時間以内に頭痛や発熱などの症状が現れてきます。
これは薬によって菌が破壊されている証拠になります。
梅毒の症状は一時的に無くなることがあります。
しかし、自然治癒することはなく、梅毒トレポネーマは体に潜んでいるのです!
正しい治療をしなければ再び症状が出現することや悪化する恐れがあります。
症状がなくなったからと言って、安心せずにしっかりと治療をしていきましょう。

感染しない為の注意とは

感染予防として重要なのは、コンドームの使用です!
梅毒の主な感染経路は性行為による粘膜感染の為、コンドームの使用は効果的です。
また、その他の性病予防にもつながります。
しかし、コンドームが覆われていない部分に梅毒の感染がある場合、防ぐことができず感染する可能性もあり、完全に予防することは難しいでしょう。

その為、一番大切なのはSNSやマッチングアプリで出会った相手と手当たり次第に性行為をするのは避けることです。
お互いの信頼関係を構築した上で体の関係を持つようにしましょう♬
また、もし不安な場合には事前に検査を受けるなど、安全を確信した上でベッドシーンへ移りましょう。

検査をした場合でも、本当は感染していても陰性と判定されることもあります。
その為、陰性でも安心せずに3ヶ月以上経過してから再び検査を受けることが大切です!

まとめ

感染が増加する梅毒、今では誰でも感染する身近な病気です。
某クリニック院長によると、「週1人の梅毒感染の患者が来院することは珍しくない」と言われるほどです。
潜伏期間や軽度な症状によって、自分が感染していることに気付くことは難しい病気です。
少しでも感染のリスクがある行為に心当たりがあれば迷わずに受診するようにしましょう!
また、ヘルペスなど何か違和感があった場合には、すぐに検査をすることをオススメします。
梅毒は、治療薬が普及している為、治療をすれば治る病気です。
万が一自分が感染してしまった場合には、他人に迷惑をかける前にすぐに治療に専念しましょう!


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